『食』をめぐる問題に取り組むため2002年に発足した生活者のための食の安心協議会が、これまで連携して活動してきたアライアンスパートナーとの有機的なつながりを示すシンボリックなコンセプトとして掲げたのがAggriGate-アグリゲイトプロジェクト。
2005年3月1日から4日間にわたって開催された最新のIT流通技術の見本市であるリテールテックジャパン2005の会場に現れた、他と一線を画する土と緑の空間。およそ自然の産物と無縁なこの会場で、アグリゲートプロジェクトは徹底して土と緑にこだわり、ITと農業の関わりを体感できる場をつくりました。
AggriGate(アグリゲ-ト)にはAggregate(凝集)の意味と、Agri(農業)へのGate(門)の二つの意味がこめられています。そして、異なる立場の人々-生産者、研究者、メーカー、流通・加工・販売を担う企業、そして生活者が立場を超えて連携し、食の問題に取り組んでいこうという意味もこめられています。
食の安心協議会が発足する端緒となったのは、2000年北海道十勝の芽室町。
農業従事者の高齢化による後継者不足解消をめざし、ITを応用した農業生産履歴システムを設計し、その後横山氏(現在協議会代表理事)の呼びかけで、よりいっそうのIT活用を求めて農家7戸が未来農業集団を旗揚げしたことにあります。
それから4年が経ち、昨年NPO法人として活動の基盤を整え、現在多くのアライアンスパートナーとAggregate(凝集)し、新しい農業を拓く協同プロジェクトを進めています。
これから5回にわたって生活者のための食の安心協議会とアグリゲートプロジェクトの進行状況をご報告していきます。
第1回は協議会代表理事横山氏のアグリゲートが目指す新しい農業の提言です。 |
story
01「日本農業を速やかに国際競争力をもった先端産業にせよ!」
NPO法人生活者のための食の安心協議会代表理事 横山和成
与えられた一見実現不可能な命題達成に向け、従来の常識に囚われず、異分野、異業種、異業態を大胆且つ果敢に「凝集」させてしまう「AggriGateアグリゲイト」プロジェクトは、2003年ある日の夕刻、霞ヶ関一丁目、夕闇迫る農林水産省事務室一角の小さな会議テーブルで産声を上げました。
農政大改革の奔流と、そこでの日本農業の生き残りのための一策を目指したブレーンストーミングぐらいの思いであったかも知れないことを、当の命題発令者自身は既に忘れているかもしれません。
しかし、与えられた人間の、この場合筆者と言う事になりますが、日本農業への思い入れと使命達成への執念深さが尋常でなかったことが、このプロジェクトの、以後の運命を決めることになったわけです。
最近ある食品流通に関わる方からお聞きした言葉の中に、「食に関係する日本語語彙は9000語、世界で堂々トップ、一般に世界の食文化の殿堂と言われるお隣中国を遥かに凌ぐ」と言うものがありました。これは私たちの食生活が世界トップクラスの豊かさであることを示すと同時に、如何に地球上の隅々から食料をもたらされているかを示すものです。私たち日本人の生命を支えている食料とその供給体制は、既に世界中と接続し、膨大な数の人々と様々なシステムの協働の上に成り立っているのです。
この豊かな食を享受するわが国で、近年、食品の産地表示偽装、生産資材の違法使用など、人々の信頼を裏切る数多くの事件が発覚してます。そのことをきっかけとして、人々は毎日口にする食べ物に不安を覚え、日本人の最大の関心事が「食の安全と安心」であると言うのは誠に皮肉なことです。
この『食』とその生産過程である『農』に関する国民の関心の高まりを、単なる不信感や猜疑心の結果として捉えるのではなく、生産、流通、加工、販売、消費現場の積極的な「情報公開」と、それを基にした現場と現場を橋渡す「システムの共通化」によって実現する率直な意思疎通、そしてその結果として得られる「相互理解」と「自己責任」をキーワードに、食に係わる不安感を払拭するための新たな社会形態「双方向型社会」を提案したい。
そのために、昨年2004年、私たちは産学官民の資源を結集し、しかも生活者の視点に立って食の諸問題をオープンな場で議論し、双方向型社会の実現に寄与する新技術、社会システムの企画、啓発を促進するための協働型組織「NPO法人生活者のための食の安心協議会」を設立しました。
本年2005年は、現実の世界への飛躍の年になります。国内のみならず、国外から流入する食の流れも含めて、準備し、温めてきた多くの企画、事業計画を世に問うことになります。
プロジェクト“AggriGate(アグリゲイト)”にはAggregate(凝集)の意味と、Agri(農業)へのGate(門)の二つの意味を込めています。同時に日本人が生み出してしまう「世界最高水準の先端技術」と、様々な分野のプロ軍団による「統合化戦略」を、細胞内の蛋白質合成「場」であるリボゾームの二つのサブユニットに擬えた、低次元の材料技術から高次元の高付加価値技術を生み出す未知のシステムをも意味する言葉です。
未知のシステムの中で自己組織化されるであろう予測も付かない1.5次産業「農産業」を夢見て、“Let’s AggriGate!(あなたも凝集しよう!)”!
多くのみなさんの参加を歓迎します。 |
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